目的を見失わないこと

この記事は約4分で読めます。

みなさまこんばんは、音と神託の紡ぎ手さゆらです。

今日のテーマは「目的を見失わないこと」について。
現実的なお話です。

数年前のことですが、とあるご縁で知り合った男性が、仕事で部下を褒めるのに苦労している、という話をしてこられました。

「褒めて伸ばすようにというけれど、できるようになって欲しい仕事ができていないのに、どうやって褒めたらいいのか…」

何度か会って話をするうちに、そんな風に仰って悩まれていました。
さて、みなさんなら、どうするでしょうか?

その方の気持ちを想像すると、大変だろうなぁ、とは思います。

できてないのに褒めるところなんて探してもでてこない。
できてないと本人もわかっていることなのに、褒めてどうするんだろう。
下手に褒めてしまって本人がこれでいいんだと勘違いされても困る。

そう思ってしまうのも無理もないですよね。
ただ、私はこの相談を受けた時に私なりの答えをもっていました。
それは、

「部下に仕事ができるようにすることが上司としての務めであり目的」
「仕事ができるようになることが部下としての課題」

この2つをクリアすれば解決が見えてくるだろうな、ということです。
私が上司の立場だったら、「仕事ができるようになってもらう目的を達成するため」に、たとえ進捗ゼロに近いものだったとしても、無理やりでも(笑)褒めたり励ましたりできます。

不器用な人、要領を得ない人、指示待ちをしてばかりの人、色んな人がいますし、色んな人に出会ってきたけれど、そこから成長し変わる人も沢山みてきたから、私にできることを考えたときに「仕事ができるようになる」という目標設定をして、それを達成するためにどんな行動が効果的かを判断して実践するだけなのです。

仕事ができない、思うように結果がでない、やる気が感じられない、そんな人はどこの世界にもいるわけですから、珍しくもないのです。仕事ができない相手をどうやって褒めたらいいか悩んでしまう気持ちはわかる気がしますが、褒めること自体は工夫してできるものだと捉えています。

そうそう、私が10年以上していた電話サポートのオペレーターを育てるインストラクター(インストラクターとしては5年以上)をしていたときに、

「ダメだしばかりではなく、できているところを見つけてちゃんと褒めてくださいね」

と上からの指示がありました。応対の練習でロールプレイングをするわけですが、これがなかなか難しいというか、どこを褒めたらよいのか、と思ったことがあるのです。まさに、その男性と同じような状況です。

電話応対の言葉遣いは普段のそれと違って、使うのがなんだか気恥ずかしいとか不慣れでたどたどしくなったり、敬語を意識しすぎて逆におかしくなったり、電話応対をまともにしたことがない人も多かったので、覚えなければならないことだらけで四苦八苦する人を多くみてきました。

独り立ちできるよう、指導をしないといけない。
前向きに取り組めるような言葉がけをしてあげたい。
褒めることが目的ではなくて、できるように取り組み続けることに向き合わせるのが目的。

今だから言えますが、それはもう危うい方、色んな意味ですごい方もいらっしゃいました(笑)
指導しているのに「でもですね」「だってですね」なんて言われたこともあります。
怒っても苛立っても、仕方がないんです。それは私がしたいことじゃないし、それをして解決することでもない、と冷静さを保つことが目的達成の最短ルートだと学びました。

 

そして、頑張っても頑張ってもすぐできないことだってあります。
電話オペレータでいうと、言葉遣い。
数十年も使ってきた言葉遣いをいきなり変えて話しなさい、と言われてすぐできる人の方が少ない。そりゃそうですよね。最初からできる人なんていないんですね。それをどうやってできるように育てるか、が上司やインストラクターの務めだと思うのです。

あー、経験談が長くなってしまいましたが^^;

 

目的を見失わない、というのは、弓矢や銃で狙いをつけたらそこから目を離さないのと同じように、「どこに向かって進んでいくか」にフォーカスし続けることです。いい意味で、そのための手段は選ばずに柔軟に、そしてできれば気持ちよく愛をもって進めていくことができるのがベストだと思います。

悩んだときには、何に対して悩んでいるのか、何をコントロールしようとしているのか、もともとの目的は何だったのか、一度立ち止まって確認するとよいですね。

 

…えっ、そんな風に進めてももし相手が変わらなかったら?^^;

 

うーん、まあ、そういうこともあります。
私だって、指導した方で何人も続かなかったのを知っていますし、「辞めます。お世話になりました。」と連絡をくれる人もいて、いいようのない無力感を覚えたことは1度や2度ではありません。

でもだからといって、自分が手抜きしていい言い訳にはしたくないかな。
目的を見失った状態で仕事しても充実感はないし自分を下げるだけですし。

このブログにたどり着いて読んでくださった人の心に、何か響くものがありますように。

さゆら


タイトルとURLをコピーしました